お盆

7月15日、8月15日を中心に行われる仏教行事のことをお盆、または盂蘭盆会といいます
山の彼方、海の彼方からご先祖さまをお迎えしご供養する季節の行事です

昔は個人の御霊は百草の生い茂る裏山から戻られると言われていました
道端に生えている草を刈り、家々の玄関先ではオガラを燃やします


盆花として知られるミソハギ(禊萩)
ミソハギはお盆の時期に咲く花でもあるところから盆花、精霊花とも言われています。迎え火のオガラの火はミソハギの花穂に水を含み消します。この他にもミソハギの露が御霊の喉の渇きをいやすとも言われています

故人の好きだったもの、三具足、などと共に水の子をお供えする家々もあります
水の子は夏野菜の胡瓜、茄子を小さなさいの目に切り、米と合わせて作るもてなしの供え料理です

回転行灯にまつわる鎧武者にであった夏の思い出

回転行灯とは仏間の前に置かれるくるくると灯がまわる提灯のこと
母方の実家は昔の日本家屋で、玄関を入るとすぐ4間ぶち抜きの畳敷の部屋と外縁側、家の奥へ続く廊下、内縁側、その向こうに池が続いており風鈴の音が聞こえていました
ちょうど中心に仏間があり回転提灯が飾られています

仏間のそばで読書に没頭していてふっと目をあげると大勢いた親戚が一人もいません
夕食ができあがった声がしていたので、皆、別棟のダイニングに行ってしまったあとでした
読んでいた本が面白くてもう少しと残っていましたら、気が付くと部屋全体が行灯色に赤くそまっていて、回転行灯のくるくる回る灯が部屋いっぱい、池にまでひろがるという感じです

焦った私は近道で別棟に向かおうと玄関をでて門をくぐるその寸前に、外の道を大勢の鎧武者が列をなして歩いていくところに出くわしました
足並みもそろっていて、ざっざっと歩く音を思い出します
祖父を迎えにきたんだなぁ、でも見つかってもいけないなぁと思ったわけです
門の両脇は大きな松の木や大木に大葉が生い茂っていたので陰になるように隠れる形になっていました
空間にすっと消えていく最後までだまって見ていたように記憶しています

むかしむかしのお盆の思い出
毎年繰り返しおとずれるお盆ですが、同じ事をしていても年事の思い出があって懐かしく思い出されます



自然・設え

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