二人静
内田康夫さん著 ” 天河伝説殺人事件 ”
財前直見さん主演の映画を見てから、二人静はずっと憧れの能の演目です
しずやしず
菜摘女(ツレ)、その彼女にのり移る静御前の霊(シテ)、二人の静の舞いです
シテは、人間国宝になられた金春流、高橋忍先生が務められ、井上貴覚氏が現世の菜摘女を、あの世の静御前のゆるやかに時が流れるような透景の舞が面白い
これを相舞(あいまい)といいます
面をつけている状態でぴったりと舞があうほどに盛上がるとされています
二人が舞い、舞をとおして静が語ります、語りとは?
人が出会い語り、その思いを知るというのは、今の時代にも共通する対話の世界、生まれる言葉(産霊ムスビ)は貴重です。問答し、考え、ぶつかり、解き、生まれる言霊に人の本質がぎゅっとつまっていると言われます。語り、言葉とは口が達者とも違いますし、頭がよいしゃべり方とも違うとも思います。相手をやっつけるための言葉でもなく、平等に対話ができる豊かな心をはぐくむには、大人になっても難しいですねぇ。
言葉とは、会話とは?言霊ひとつでも深く語り合うきっかけとなります。
良いものを見させて頂きました
国立能楽堂開場40周年おめでとうございます
狂言の鞍馬参りも見ることができました
どっと大笑いの声
文芸研究家のドナルド・キーン氏は、生前、日本文学、古典芸能、中でも狂言をみるべきだと仰っていました
登場人物2名の掛け合いには、五感を使った面白さが発見できます
狂言の奥深さに驚きます
そして40周年を迎えた能楽堂の見事な作り
日本の建築物、宮大工の技術、センス、古典芸能は唯一無二の遺産ではないでしょうか
お着物姿が沢山見られ、華やかな新年のはじまりです
着物は、がごめ文様に蝶柄
帯は金糸刺繍、帯揚げ、帯締めに淡い春の色を選びました
がごめは神さまのご加護、魔除け文様です
蝶はおめでたい文様で、つがいの意味など祝いごとに幅広く着られます